皆様連休はいかが過ごされましたか？
私は連休前半を出身大学のある長崎で大学勤務時代の仲間たちと過ごし、大変有意義なお休みを過ごせました。連休明けもバリバリ頑張れそうです！
ところで近年健康長寿には歯科治療や歯科でのメインテナンスが重要であることがわかり、特に歯周病が心疾患や脳梗塞、糖尿病、認知症、早産のリスクを高めるためその治療の重要性が叫ばれるようになりました。
実際お医者さんで入院手術を受ける際ほとんどの場合は入院前に歯科治療を受けるよう勧告されます。
さてここで歯科検診とメインテナンスについて掘り下げていきます。
歯科検診は学校や企業、自治体を通して受けられる方もいらっしゃいますが、ご自身で歯科医院に出向いて受ける方も多くいらっしゃいます。
一般的には日本の保険治療は自覚症状がなければ健康保険を利用できませんが、検診で虫歯や歯周病が見つかった場合は無症状でも健康保険を利用した治療を受けることができ、治療後は重症化予防処置としてこちらも健康保険でメインテナンスを受けることが可能になりました。
ここで勘違いしてはいけないのがメインテナンスという言葉の解釈です。
メインテナンスとはあくまで治療の成果を長期に渡り維持するために必要な検査・クリーニングを継続的に行うことです。
検査や治療が必要にも関わらずそれらを受けずにクリーニングのみを受けることは保険診療では許可されていません。
車の車検も同じで検査で故障や異常が見つかったら修理や部品の交換をすることで検定を通り運転が許可されますが、車検や必要な修理を受けずに運転すると法律で罰せられます。
以前のブログでもお伝えしましたが、歯科に限らず健康保険を利用して医療を受ける場合には国が定めたルールをお医者さんも患者さんも守る義務があります。
ルールを無視した治療をして保険請求を行った場合、医院は保険診療の停止処分を国から受けるケースもあります。
近年日本における医療費の高騰で特にルールが厳しくなり、以前はお年寄りが薬や湿布などを必要以上にたくさんもらって近所の方に配る時代もありましたが、一度に処方できる薬品にも制限がかかるようになり、薬を紛失した場合の追加処方も自己負担(自費)ということをご存知ない方も多いことでしょう。
検査・治療を受けずにクリーニングをご希望の方は自費でのクリーニングは可能です。歯科医院にもよりますが5000円程度が相場です。
当院でも自費のクリーニングは可能ですが、必要な治療をしっかり受けて頂いた上で保険利用のメインテナンスをお勧めします。
国の隅々に安心・安全な医療が安定して提供される社会を長く維持できるよう皆様のご理解を宜しくお願いいたします。
院長 稲光宏之