皆さんこんにちは。久しぶりの投稿になりました(^-^;
さて、早速ですが皆さんはご自分が歯周病だと思いますか?
中には歯科医院で定期的にクリーニングして、歯医者さんからも大丈夫だと太鼓判を押されて安心している方もいらっしゃると思います…が、残念ながらそういった方のほとんどが既に歯周病です。
ここで歯周病がどういう病気か掘り下げて説明します。
歯周病とは、歯周病原菌により歯周組織(歯を支える周囲の粘膜や靭帯、骨など)に炎症が起きている病態を表す言葉です。そして歯周病原菌はほぼ全ての成人の口に潜んでいます。
我々の口の免疫システムは毎日この菌と見えない戦争(炎症と治癒)を繰り返し、免疫が優勢なら無症状、菌が優勢なら歯肉の出血や痛みを引き起こします。
また、歯周組織に不利な現象、例えば歯ぎしりやくいしばり、アルコールやタバコなどの刺激物の摂取、糖尿病などの全身疾患があればその進行を早めてしまいます。
当然菌の餌となり寝床となるプラーク(磨き残し)が多いと菌が活躍しやすくなるため、毎日のブラッシングや定期的なクリーニングで自身の免疫をサポートするわけですが、一度歯周病原菌に感染したら完全に無菌化できないため一生歯周病原菌と戦わなくてはなりません。
そして歯周病を進行させないためには歯周病の重症度に応じた適切な治療を受けることが必要です。
歯周病原菌の活性が弱く自覚症状のない安定期は毎日のブラッシングと3~4ヶ月に1度のメインテナンスで十分です。
次に歯肉からの出血が続く場合や歯茎の検査で歯茎の下に歯石が見つかった場合は5~10回程度の継続的な歯周病基本治療が必要です。具体的には麻酔を使用した歯茎の中の歯石除去を行います。治療後の検査で改善があれば安定期の方と同様メインテナンスに移行します。
さらに進行し歯の揺れや違和感、痛みを生じた場合は上記の基本治療に加えて抜歯も含めた専門的な歯周病治療が必要になります。これもまた全ての治療終了後の検査で改善があればメインテナンスに移行します。
残念なことに世間にはご自身の歯周病の進行度を知らされないまま、必要な治療を提案されないまま盲目的に歯科医院に通い続けている患者さんもいるようです。
背景には治療内容によって痛みが出たり治療期間が長くなる場合もあり、何よりほとんどの方が無症状で無自覚なため歯科医院としても治療を勧めにくいというのがあります。
しかしながら歯周病は治療しない限り治癒することはなく必ず進行して重症化します。発症後によく分からない高いお薬を飲んだり高級な歯ブラシ・歯みがき粉で歯磨きをしても焼石に水で効果は期待できません。
まずは歯周病について関心をもち、理解を深め、勇気をもって、ご自身が通っている歯科医院で歯茎の検査を受けた際は歯周病の進行度を伺ってみるのもいいかもしれませんね。
皆様の益々のご健口を心より祈念いたします。